ポイント 2% 11pt
「ずっと一緒よ。私たちは、離れないの」。凪は枕元に置いてある赤い毛糸を手繰り寄せ、両端に作られた輪っかを弟の漣と自らの首にかけた。ふたりが離れると、互いの首が絞まるようになっている。両親を亡くして以来、ふたりはずっとそうして寄り添って生きてきた。「気持ちいいよ、漣。もっと感じてもいい? 姉さん、我慢できないの。ここが苦しくて……」。第二回団鬼六賞を受賞した注目の女流官能作家が描く、切なくも狂おしい傑作情痴小説。
この作品にはまだレビューがありません。 今後読まれる方のために感想を共有してもらえませんか?