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戦いに勝利も敗北もありはしない。あるものはただ犠牲のみ。そしてまた、誰も「彼」を救えはしない。彼自身がおこなう以外には……。伽羅王の巨大な輝きを支え、戦いを生きるためにのみ、その存在をゆるされる者<牙>。彼にとって、いまの伽羅王は、寒いほど遠かった。(どこにいるのですか、伽羅王)。まるで手ごたえのない虚無の先によびかけるように、彼はその孤独感をかみしめていた……。
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