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少しでも虫が好かない相手に、私は嫌がらせの言葉を記した『スミレ色の手紙』を送る。深い恨みはあるわけではない。うるさい親戚。学生時代の同級生。勤めていた頃の同僚。嫌みな上司。先日は態度が悪かったコンビニの店員への手紙を注意深く作っている。この手紙が大きな災禍となったのは、私の手紙を契機に隣の部屋に住む女が自殺したことからだった。その死に私は責任がない。そう考えていた、あの女が登場するまでは……。
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