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麦菜は、パン屋を営む両親と弟、そして祖母と暮らしている。この春、高校一年生になったばかりだ。自宅兼店舗があるのは、札幌近郊にある「空中回廊」の名を持つ歩道橋の階段のすぐ下。「空中回廊」は円形の通路にらせん階段がついた、とてもめずらしい形の歩道橋だ。 介護が必要な祖母をめぐって、家族はなんだかぎすぎすしている。麦菜の心も「好き」「嫌い」を行ったり来たり。まるでドーナツ型の歩道橋を歩くように──。
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