――『宇宙兄弟』は作品全体に、非常にリアルな印象を受けます。取材の苦労や裏話などはありましたか?

小山:作中に登場する選考の課題などは実際に取材したものと、自分で考えたものが半々くらいですね。 本来は宇宙飛行士の訓練でやるものを選考試験の課題に取り入れたりもしています。
また、アメリカでは宇宙飛行士の野口聡一さんにお会いできました。一緒にご飯を食べながらいろいろお話を伺いました。そこで聞けたエピソードはこれからの作品でも生かしていきたいと思います。

佐渡島:取材の甲斐あってか、宇宙開発の現場にいる人たちからも、作品の感想として「すごくリアルだ」「よくわかっている」という反応を多くいただいていて、うれしいです。

――宇宙飛行士の事故や選考時のプレッシャーなど、あえてネガティブな側面まで踏み込んで描いたのは?

小山:宇宙というのは夢だけじゃなく「死」が隣にある世界でもあります。宇宙飛行士をめざす主人公たちにも、その点は意識させて、その姿を描きたいなと思います。 彼らにも覚悟が必要ということですね。子供だけでなく、大人も楽しめるリアリティのある漫画を描いていきたいと思っています。

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