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「嫁姑なんてどこも同じ」
そう言い聞かせて10年が経った

主人公・彩美は同居する姑の嫌味に
耐え続ける専業主婦

毎日毎日、何かあれば
…いや何もなくても

「消えればいい」

「車で事故ればいい」

「うっかりマンションから落ちればいい」
「突然殺人鬼に襲われればいい…」

心の底から叫んでしまいたい
どうせ誰も聞いてないんだから

「死んでしまえばいい」

夫と娘がいて、タワーマンション暮らし
人も羨む何不自由ない生活をさせてもらってる

だから、幸せ?
話を聞いてくれない夫と
作ったご飯を食べてもくれない娘

やり過ごそう
あの日もそう思っていたはずだった

夫の大好きなカレーを作っていただけで

女手一つで育ててくれた母の
喜んでいた顔がよぎって
ただそれだけだったはずの日に

いつも通り姑の嫌味なんて、
聞き流せるはずだったのに

なんかもう ダメだった

ゼンブメンドクサイ

ダレモワカッテクレナイ

あの日、いつもの10年間が終わった
そしてすべてが始まってしまった

梅雨らしい雨が降った日

私は、姑を殺した

豪華なタワマンで起きた専業主婦の姑殺し_。
彩美の運命はどうなるのか?
無関心な夫と思春期の娘は彩美を助けるのか?
続きはぜひ本編でご覧ください!

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私が姑を殺した、雨の日【単行本版】1
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作者:弓咲ミサキックスインタビュー

『元号が変わる瞬間しか描けないこと、〝「平成」という時代が何だったか〟を描きたい―――』

『物語』を作るようになったきっかけ

――いつ頃から漫画を描いていたんですか?

弓咲ミサキックス先生(以下「弓咲」):小学生の時から落書きで漫画を描いたり、ノートに文章を書いていたり…とにかく『物語』を昔から作っていましたね。
何か理由があって書いていたということではなくて、ただ頭の中に浮かんだから書いていました。

何百もストックしているプロット

――ストーリーはどうやって思いつくんでしょうか?

弓咲:普通に街を歩いていても、目に入ってくる風景で連想ゲームのようにストーリーが脳内で再生されていってしまう質でして…。
それで思いついたストーリーのプロットを何百もストックしています。
中でも、蝉の声を聞いた時に最もインスピレーションが湧きますね。

暑い夏の日に歩いていて、蝉が「ミーンミンミンミン」と鳴いていると、もう勝手にストーリーが浮かんできてしまいます。

大抵思い浮かべるのは白髪まじりの刑事の主人公なんですが、主人公が汗を拭き拭き坂を上っていく。
老夫婦の住む一軒家に入っていく。目の前にお茶が出される。「今年もこの日が来ましたね。」と話し出す。
「あ、この家の娘さん亡くなったんだ。何の事件に巻き込まれたんだろう?」と考える。
そこで鳥居が目に入ってくると「そうか、鳥居がある場所で殺されたんだ」…という風にまた結びついて繋がってくる、というような感じで。

編:脳内に体験が刻まれて、それが作品へ出力されているんですね。

弓咲:例えば今日はひどい土砂降りだけど、 「飯田橋駅からここまで向かう最中に雨に打たれる」という経験を味わえたのは何かに活きると思います。面白い体験ですから。

――ひどい土砂降りに降られたのに「味わえた」とは、すごいですね…。

編:そういえば打ち合わせの日って雨が多いですよね。

弓咲:タイトル通り「雨の日」づいてるのかなあ、俺…。

――嫁姑モノのプロットのストックはあったんでしょうか?

弓咲:それはゼロでした。スキマで2018年夏にホラーの読み切り(「閲覧注意-呪われた十の話-[短編集]」に収録の『卒塔婆の坂』)を描いた後に、連載のお話をいただいたんですが受けるかどうしようか実は迷っていました。

その当時、スキマはレディコミ系がウケがいいということだったんですよね。「嫁姑モノがよく読まれるんです」とお話をいただいた時に、「俺が描くと嫁が姑を殺す話になっちゃいますよ」と言ったら「ぜひそれで!」となっちゃいまして…。

でも、その設定で色々考えていくと意外とするするストーリーが出来ていったんです。

最終的には、今嫁姑モノを描けるのはここだけだと思ったので引き受けました。

俺は男だから嫁・姑の気持ちは分からないので、その部分は周りの人たちに聞きながら描いています。もちろん周りは平和な関係の人たちが多いですが(笑)

レディコミを読んでいた中学生時代

弓咲:学生時代、みんなジャンプを読んでいる中で俺はジャンプはジョジョしか読まなかったんです。
ジョジョって心理描写がすごく多いからそこが面白くて。
中学生時代は、ジョジョの他はレディコミとホラー雑誌ばっかり読んでいました。

昔から心の駆け引きが面白いと思っていたので、中学生から女のドロドロも当たり前に読んでいました。

――影響を受けた作品はありますか?

弓咲:漫画だったらやっぱりジョジョが最も入っているかな。

小説だったら江戸川乱歩・横溝正史。

小さいころから江戸川乱歩や横溝正史を真似して小説を書いていて、だんだん自分のオリジナリティが出てきて今のスタイルに至るって感じです。

グロは大嫌い!

弓咲:俺、ホラーばっかり描いているけどグロいのは非常に苦手で…見たら飯食えなくなるもん!(笑)

それに至る過程・心情が自分にとっては重要なので、グロをメインに見せるのは興味が無いですね。 『私が姑を殺した、雨の日』でも遺体の切断シーンは描いていません。直接は描かないで、切る音「キーコキーコ」だけで読者に想像させています。

そうだ、バラバラ死体を彩美たちが全部捨てて、見開きで日が当たっているシーンなんですが、ここら辺は描いていてめちゃめちゃ晴れやかな気持ちになりました。彩美の気持ちになったんだろうなあ…。

――このシーンの少し前で、彩美が死体を埋めながら笑っている表情はドキっとしました。

弓咲:いつもはデジタルで描いているんだけど、実はこのページだけアナログで描いたんです。雑さをわざと出して、怨念がこもるかなと思いながら描きました。

――思い入れがあるキャラは?

弓咲:東(第8話から登場)は面白いですけどね~。

東の「においに敏感」という設定なんですが、これは自分の経験から来ています。

編:えー!そうなんですか!?初耳です…。

弓咲:嗅覚が鋭いのは日常生活含め色んな場面で発揮しています。焼肉屋のある場所が人より早く分かったりする位しか役に立たないですが…。あ、作品作りにも役立ってます(笑)

――『私が姑を殺した、雨の日』というタイトルはかなりインパクトがありますが、どうやって決めたんでしょうか?

弓咲:最近はタイトルで全部伝えるレベルの長めのタイトルが流行ってるし、自分が読者としてもそういうタイトルでないと中身が分からないから、そういうタイトルでインパクトをつけた、というところです。

あと、個人的に「雨の日」まで付けたかったのは、日本の雨のカビ臭さで不穏な雰囲気を出したかったというのもあります。あと、雨の日=6月、平成最後の6月というところもかけています。

「平成」という時代をいろんな部位に散りばめたかった、というところですね。

家族の行く末…

――『私が姑を殺した、雨の日』は主婦一人だけの話じゃなくて、「家族全員巻き込みながら」というところが特徴ですよね。

弓咲:はい。これからこの家族がどう生きていくのか、彩美の心情を思うと描いている側ですが辛くなりますね。

――これからの見どころは?

弓咲:それはやっぱり彩美の今後です。彩美が一番の犯罪者だから、彩美がどうなっていくのかは一番見て欲しいです。

この家族がどういう形で収束するか…描いていて悲しくなってきますけど。

あとは、この作品を通して「平成」というものが何だったかを描きたいなと思っています。

これは元号が変わる瞬間しか描けないですから。

8話から新キャラ(東)も登場し、思いがけない方向に物語が転がっていきます。 ぜひお見逃しなく!!!

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